慰/真柴
大きな大きなタワーの下に
こっそり置かれたビー玉は誰かが誰かをおもって置いたもの
何の感情も抱かずに
たいていの人間が「ああ」とうなづき一つ置いて過ぎてゆく
寄り添うカラスが確かにいるはずなのに
大きな大きな灰色のタワー
悲しいほどに鮮やかなビー玉
誰も気づかない祈りのカラス
ああ、馬鹿みたいなガキみたいな言葉しか並べられない
どうやったら何かを誰かに伝えられるのか
涙が出るほどに拙いんだ
知ってるか
電信柱に添えた花
枯れてもいないきれいな花を
添えた誰かがいることを
電信柱 アスファルト
手にした花を手向けて泣いて
膝をついて祈った男を
気持ちが悪いほどにリアルで
どうしたらいいのかわからない
ただカラスが心安らかになれたら良いと思っただけで
拙い言葉をつづるだけ
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