11月7日 メモならそれでいい/水町綜助
愛ということについて
そのことをぼくはたくさんの人々が考えては
よくわからないとその一言にまつわる
その一言のもつ浮力だけに頼るように
やりすごしてきた
ぼくはその一言についてまわる
さまざまな枕詞やあとに続く余韻や
きらびやかなまやかしごとかもわからないことを
目で見て
見ぬふりをして
それは不可視だと
そのあいまいさに期待し
期待は今日のやりきれなさをすかすから
その羽布団にあたまからしずんで
それで
愛とかいうもののその先があるらしい
なんの証明もそこにぼくは見つけられないけれど
そのただ二つの文字さえもあたえられないものがここにあることを
それをじかにうけていた
またはうけていることをいまただ直線的に信じている
あいまいだということはわかっているけれど
それがどうしたというのか
ことばをあてはめたとしても
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