みどりという代名詞/ふるる
 
みどりという代名詞がふさわしい存在していたかつてその

呼び名をあたえられず
最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり

せめて歌なりと
なりとなりと
しんと音となり

ししん ししん ししん
雪列車で運ばれた
しんだものみななみとあふれ

誰かに呼ばれたかつての名は
夜のなみよすみから名をわすれさせ

みどりみどりのなかへふさわしく
代名詞が抱えるあるはずの存在のかつて

呼び名をあたえられず

せめて声なりと
ちいさく声ぬかるみからあふれ
となりとなりと触れるあう

触れるあう指をさするほらあれ
なんていうの知らないの
目よあいてよひのようひかりあれ

最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり


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