水牢/透明な魚
 
空から降る雨の粒
その数を僕は知る
乾いた大地に雨粒を弾かせて
その淡い弾力で君を包む
雨量を司る龍に凭れて
愛した人に祈りをささげる


彼女は何処か知らない場所で
延々続く雨粒の中
宇宙の欠片を歌っている
その声が僕にまるで聞こえなくて
その声が僕の為で無くて
誰か知らない
僕の知らない誰かの為だと知って・・・
僕の創る雨の粒は
彼女を覆いその地に閉じ込める


其処には意味が在る


僕は公園のベンチに座って
果て無い物語を詠んでいる
沢山の分岐の壁が沢山の光と影を彩り
僕は宇宙の欠片を歌う
温かくも冷たくもない君の掌にふれて
其処から溢
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