緑色のゼリーが墓場/
湿児えのき
緑色のゼリーに片足を沈めたまま
動かなくなった冬の初め
夏が好きなんだって皆知ってたのに
静かに冬は訪れたよ
優しさを知らなかったんだと思うの
私たち暖かいでしょう
誰も寒さなんて知らないまま死ぬのよ
知らないってことは優しくなんてない
知らない私たちは貴女に優しくなかった
緑色のゼリーに片足を沈めたまま
動かなくなったカブトムシ
夏が好きなんだって皆知ってたのに
静かに冬は貴女に死をもたらしたのね
戻る
編
削
Point
(1)