手/
kiriko
街を見ていると
心は人混みに溶かされてしまう
鳥や木々を描きたい
この上げた手から
田畑のひろがる景色を思っていた
だけど
少しぐらいの汚れはあるのだろうか
生きていこうとするネクタイたちに
立ち止まっていたって何もかも流れる
抜け出して汚れを取り去ろうとしても
日差しに私は
祈れるような存在なのか
そして幸せは夜のどこにあるのだろう
それとも
すべてはスモッグの中か
いつまでもわからないまま歩道橋に立っている
小さな私の手があった
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