器官Baby/カンチェルスキス
 
は 欠けた月の夜に白百合の花が落ちる ああ悲鳴 きれいなのは嘘だ
し 醜悪な光景でもない 燃えてら 物体が 肉と骨と血と それなりの来歴を持った
輪郭を持った一塊が ああ 燃えなくてもいいのに燃えて おれの足元はしっかり
明るくてこんな明るさなら明日の予定もきちんと立てられるだろうにと思い
規則正しい生活という言葉を思い出してしまった 靴が燃え残る 靴が燃え残る
でも その肉の一塊は燃え残らないだろう ああ悲鳴 頬の肉が焦げて 心臓の肉に
燃焼が食い込む ああおれが悲鳴を上げたくなる 嬉しいような哀しいような、だ
悲鳴!炎の塊は一時も点滅などせずにおれだけが点滅していくようだけど

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