<SUN KILL MOON>-for/ブライアン
する。けれど、何も見つけられないわけではなかった。視線は月を見つける。月に触れる。侵入する。「他人」と「自分」の境界は曖昧になる。
故郷を離れてから10年ほど経った。当時のように感じることは出来ない。目に映るものは「他人」だった。「他人」でしかなかった。そして、「他人」に触れることが出来なかった。接点は失われてしまった。見えない「井戸」を感じた。風が吹く。馬鹿にする。「ああ、おまへはなにをして来たのだ」と。故郷の駅の底で月の光を探す。「他人」と触れようと。見上げる。やがて、陽が落ちた。夜がやってくる。月が煌々と輝く。月の光を見る。触れる。「他人」との接触。月の光はいつでもよそ者だった。太陽
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