昆虫採集の虫みたいだ/
明楽
べ物と出会うことはないし
水差しが満たされることもない
椅子には誰も座ったりなんか絶対しないし
蜀台に火が灯されるなんてあり得ない馬鹿げた話だ
だけど在り続けるためだけに
存在しなきゃならないアイツら
壊れないことばかりがしあわせだとは思えない
哀しいな
殺されて標本にされる昆虫よりも
生きているのに生かされていないアイツらの方が
ずっとずっと 哀しくて
見てらんないよ
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