色あせる空/タマムシ
「記憶」
見上げれば青空
小さい頃の記憶にある
かつての夏の日差しのように
気づかぬうちに過ぎてゆく
何かがわたしの背中を押している
「今日」
自分のことでいっぱいなのは
とても幸せなことだと知った
そうやって色あせてゆく日々
(それ以上にあなたは
遠くへ行ってしまった)
小さい頃の夏の日差しは
小さいままのわたしには
何度もめぐってきて
そのたびに少しずつ違う顔で
微笑んでくれたけれど
「今が過去になり」
あの頃と違うのは自分だと知った
それはただ大人になるとか
そういう成長のお話ではなくて
誰も教えてくれな
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