頬杖/かいぶつ
あなたは教室で
いつも頬杖をついていた
窓から外の景色ばかりを眺め
それ以外はすべて
無関心のように
頬杖をつくあなたは
とても大人びて見えた
同い年ということが
信じられぬくらい
同じ年に生まれ
同じ授業を受け
同じ桜を見ているというのに
こんなにもわたしとあなたは違う
わたしはまだ
こんな小さな石にさえ
つまずいているっていうのに
あなたは何度も同じところを
ぐるぐる回ることに飽きあきして
雲の上でレースの終わりを
待ち侘びているみたい
わたしがここを
卒業するころには
あなたはすでに
立派なお爺さんになってたりして
彼にとって学校とは
なんだったんだろう
そしてわたしにとって
学校とは
頬杖なんてつきながら
すこし気取ってみたけれど
やっぱりあなたには
まだ、追いつけないみたい
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