盲目の人形師/暗闇れもん
頬に静かに触れる
今にも壊れそうに見えるのでしょうか
触れられただけで崩れそうになるのに
冷たさの残る
彼の手のひらで
私はようやく立っていられる
耳、額
まぶたを閉じて
唇、首、肩、腕
指に絡まるのは私の想いだけでしょうか
胸、お腹、背中、足
まぶたの奥で彼の姿を追い
そうっと目を開けた
私そっくりの球体関節人形が
瞳をぐるぐる動かしながら
部屋に沈み込むのが見えた
溢れてくる
油断すれば零れ落ちそうになる
何も知らないはずなのに
人形は彼を抱きしめ涙をこぼしていた
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