秋の自殺/智鶴
冷たい雨の中で
切ない花のように頭を垂れて
一秒先にも、一秒前にも動けないまま
美しかった日々に怯えて
日々の脆さに怯えて
今日が寂寥に沈んでいくのを見ていた
骨も冷える雨に濡れても
私は未だ絶望出来ない
いつの間にか消えた瞬間に何も求めないまま
苦しい私は野良犬と同じ
来ないと解っている温もりを求めて
濡れた地面に頬を伏せる
そうして何れ、死んでいく
感覚の停止
こんなにも綺麗な嘘を信じ込ませて
煙も霧散出来ない湿度の中で
もう一度生まれよう
いつも同じ嘘をつき
私はそれを待ち続ける
それが最期だと知っていても
酸度の高い今日は沈む
明日には
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