惑う/星月冬灯
 
 私はまだ闇の中
 光のまったく無い
 暗黒の穴の中
 いくら手を伸ばそうとも
 天の陽(ひ)は見えず
 希望も夢も
 生きる糧さえも見い出せない
 もう抗う力も
 闘う勇気も
 湧いて来ず
 まるで獣のような呻き声で
 己を呪うのみ
 私はもう
 空を見ることができないのだろうか
 輝かしい未来も無く
 ただ情けなさに途方に暮れるばかりで
 もう何も
 持てぬのだろうか
 総て流れに流されて
 其処に自分の意志は存在せず
 堕ちる所まで堕ちて
 ふと気付いたら
 光の無い世界
 何を置いてきた?
 何を捨ててきた?
 何を・・・
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