根雪/星月冬灯
 
 深く  深く
 この想いはどこまでも暗い
 光(ひかり)も無い
 希望の兆しさえ無い
 淀んだ空気の中に
 いつまでも溶け込めずに
 蠢いている寄生虫
 怒りなのか憤りなのか
 心の判断もつかず
 想いは膨らむばかりで
 じめじめと
 いつまでも
 じとじとと
 どこまでも
 憎悪の念だけで
 生きている
 出口など無いこの心は
 もはや堕ちる所まで
 堕ちるのみ
 ならばいっそ
 この手に絡めて
 全てを壊し
 自分の善なる部分をも
 否定していこうではないか
 こんな女に誰がした
 報いはその生命(いのち)にーーー
戻る 編 削 Point(2)