木漏れ日隠れ/
 
ると
大きな枝の隙間から
薄くのびるように 
ひかりがこぼれて

私は
その風景の中で
その優しいひかりと影の中で
少しだけ隠れて
少しだけのまぶしさとともに
生きていけるような気がした


けれど
大きな影の中で
ひとり立っている私の
その小さな影は
なぜだか濃くなってゆくばかりで
灰色がかった茶色の中に
私の黒が
くっきりと浮かびあがって
どこまでもついて来てしまう


どうしてだろう


私は
どうしても
少しだけ怖くて
それでも 帰りたくはなくて
木漏れ日の下
変われずに 歩き続けている
変わらない 白く霞んだ空を見上げながら


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