必罰の耳/十二支蝶
迷える炎は 糸を燃やし
流れる眼は 憎汁を垂れ流す
忘れてはいけない
私は声は聴こえない
忘れてはいけない
私は耳を塞がれているばかり
口許に捧げるはずの
接吻は許されず そのまま息も できずに
深い海は 深い宇宙
怖くて 何もない
鼓動は激しく 絶え間なく
逃げたいという祈りだけ
忘れてはいけない
私は声は聴こえない
忘れてはいけない
私は耳を塞がれているばかり
感情に逃げてはいけない
泣く笑顔を描いてはいけない
そう約束したでしょう
忘れてはいけない
私の口許は目を瞑っている
忘れてはいけない
私の声は目を瞑っている
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