終末/セガール、ご飯ですよ
 
月とか朝焼けが変に赤くなったら
それは世界が破滅する時であるというが
その判断基準というやつは非常に曖昧であり
季節や気象条件によっても微細に変化するため
人々は不安で眠れない夜を過ごしていた
やがて日本の化学者チームが
破滅とそうでない時の見分け方を発見し
その年のノーベル化学賞を受賞したが
しかし判断基準が明確になったがために
人々はその一瞬を見逃さないようにと
毎日徹夜で空の観測を行うようになってしまい
判断基準の発表から二ヶ月で30億人が疲労のため死亡
そうやって徹夜で空を観測するものだから
経済活動が行われるべき日中に皆眠るようになってしまって
世界中の経済が
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