空を見上げる/フミタケ
 
カーテンを開ける
今日
彼女は何を見るだろう
地上17階
いつもの街並
いつもと少しだけ違ってく景色
夕べの事がまだ
部屋のそこここに残っていて
ほのかな風の粒子となって
揺れるカーテンの外へ
流れていく
午前六時すぎの光と
出会い
交わり
すれちがいながら
夜のゼリーがただれてくる頃にまた
もうひとつの優しさが
はつらつとやって来るように

空を見上げていると
なんだかすこし切なくて
肌寒い朝の空があまりにもキレイで
街はせわしなく行き交い
忘れてしまったかのように
その青をすくいとることはなく
顔を上げて
遠くおもいを馳せる時
それはいつも
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