眠りに入るときのこと/熊野とろろ
 

僅かな光が教えてくれる
小さな世界があることを
僅かな人影が教えてくれる
小さな足跡もあることを

僕は平伏して僕は平伏して
僕のことを考えたり
知らない国の音楽を聞いた

部屋は視力を介しない世界に
なりつつある
陰影はもはや意味をもたない
世界に飛び込みつつあるのだ



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