暗い森/ふるる
 
もう
ここは冬
になってしまった
日は短くなり
昼からすでに夜の気配がする

けれど迷い人よ
冬のせいではなく
この森はずっと昔から
喪服の切れ端のように暗い

鳥は言う
「さむい、さむい」と
そして今日も
枯れかけた木々の枝先にひしがれている
だれかの薄い影を
かき抱くだろう

あなたは聞くかもしれない
何故こんなにも暗いのか

喰ったのだ
森は昔
いとしい少女が
若くして黄泉に旅立たねばならないと知り
少女を黄泉ごと喰った

濁った泉があるのはそのせいだ
決して飲むことはできない泉

森は冷えた霧の霊廟
奥深く今だ少女は眠る
決し
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