ピンボールの行く先/北斗七星
ピンボールマシンの
メッキボールが
欲しかった
ラムネのビー玉より
重たく思え
それが
なんとなく魅力的で
惑わす鉄のボールは
ゆっくり放たれると
知らない道を駆け登り
ポコンと落ちると
ガタガタ点数を跳ね上げて
マシンはピポパポ大騒ぎ
僕は
本当は
ずっと前から
ずっと前から
欲しかった
ゆっくり放たれると
知らない道を駆け登り
ポコンと落ちると
ガタガタ点数を跳ね上げて
マシンはピポパポ大騒ぎ
でも
僕が欲しかったのは
マシンでもなければ
知らない道でもなく
ポコンでもなく
もちろん点数でもなく
ピポパポの大騒ぎでもなかった
手に持つと
ラムネのビー玉より
大きくて
少し冷たい肌を持つ
僕の顔が
ブワンとなって映る
出来そこないの鏡のような
ピンボールマシンの
メッキボールが
欲しかったんだ
ホントはね
自分でも気がつかなかったけど
ずっと前から
探していたんだ
ブワンと僕を映す
あのボールが
欲しかったんだ
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