自由/ぎよ
 
トリスタン・ツァラの
傷ついたガラスの翼が
電線にとまっている
厚い黒雲の下
かすかな光を受けて

誰でもない誰かの夢の投影機
初期宇宙のスープの中を漂っていた
清潔な怒りは
未来でも過去でもなく
狂った閃光となった

鏡で梱包された世界から
光は逃れることができず
自由を求め

汝の心臓を貫いてゆく

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