収集日の朝/伊月りさ
て
生活の臭いは抑えきれずに しかし、なにをも生み出さない
生活が幸せなのは、有精卵が宇宙ではないからだ
母親はきみを産んでいないが
その展開図の隅々にまでキスをして証明をする
愛 は
重石は
吐き気を抑えられないのは
これは愛でないということだろうか
宙吊りになっていた栄光を
噛み切らずに愛撫を続ける
わたしはきみを裏切るだろうか
これはおままごとだろうか
わたしたちは子どもだから
赤とんぼが呼んでいる
秋だからではないのだ
どんな夢のなかにも侵入する
七つの曜日はあまりに接合していて隠れる場所がない
けれど 彼らは大人だから
かくれんぼは諦めている
けれど
ああ
夕焼けの朝には慣れてきたけれど
わたしは母親になれない
わたしは どうしても
彼の栄光を切り落として、捨てたい
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