収集日の朝/伊月りさ
彼の母親になって
宙吊りの栄光を愛撫していると
日曜日が死んでいた
月曜日は可燃ごみだから
きみの生活を袋に詰める
捨てられていた
卵でわたしは調理をしたけれど
殻に溜まった水が腐っている
殻に溜まった水は小手先の愛情を見破って臭っている
この生活の副産物は乱暴で
彼女はすべてを吐いた
吐いて
しまいたい
赤とんぼが呼んでいる
言葉を封じられた童謡は
きみの生活を
つまり
わたしの生活を
廃棄する第一段階の合図
今朝もこの街中には飛び交って
彼らの
生活を回収している
生活は幸せだ
生活が産み落とした卵は無造作にティッシュペーパーにくるまれて
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