捨てるつもりで、海 /
かいぶつ
平たい海
穏やか過ぎて
生きてることが
煩わしい
貨物船が
買ったばかりの
絵具を広げながら
弁当箱みたいに泳いでゆく
潮風のしょっぱさは
ゆで卵のようだ
茹ですぎたパスタの匂い
水平線に
短い手紙を挿んで
泳げない人魚は
口呼吸
わたしは わたしを
持ち帰る
海を汚すのは
良くないからね
あ、
わたり鳥
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