矛盾の人/フミタケ
僕はまるで
死人のようだ
poemの詩
ではなく
deathの
死だ
何の意味があるのかと
流したいつかの涙より
僕の情熱は
冷たくなってしまった
大切な事を伝えるために
どんな言葉を
話せばいいかも
もうわからないまま
声はそこまで伸びてはいかずに
君の手前で
途切れる
僕はまるで
死人のようだ
地中に埋もれ
時間をかけて腐っていく
その土の上では
悲しみを知らない子供たちが
10月の雨の下
踊るように
スキップをしている
けれど見落としてしまいがちな事は
子供たちほど
傷つくことに無防備でなくてはいられないという事
僕はまるで
死人の
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