イヤホンマニア/ゆるこ
 
 
 
虚言癖の少年が膝を抱えてロッカーに沈む
鏡の中で暗闇を笑うその唇は月の鬱屈に鳴く
空白は色を失った兎のようにふらふらと漂う
滑る黄色を懐かしむその瞳に痛みをそっと、
 
 
 
アルファベットの配列は
音楽みたいだ
 
したたかに爪先を
アプリコットに沈める
 
 
浮遊するその言葉と線と水分に
 
液晶画面と結合したなにかがからからと乾いた
戻る   Point(1)