餅ついているうさぎは餅食われながら観られている/さわ田マヨネ
 
さんすんさき 目のまえの空がやみ
そこからまばたきをしはじめる
視られないあいことばをふりかけにして
だれかがシャンプーのためにかがむとき
にがみの背後で
あわはぱちぱちとしていた

かけおちする前のお母さんがいる

日をむかえると
虹色が空をうめるので
どうしても未来というノスタルジーは失せてしまった
それでも
蟻のくろさはちっていた
視られなかったが
ささやかに光っていた
夜になると
排水口へ向かうのだろう
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