餅ついているうさぎは餅食われながら観られている/さわ田マヨネ
さんすんさき 目のまえの空がやみ
そこからまばたきをしはじめる
視られないあいことばをふりかけにして
だれかがシャンプーのためにかがむとき
にがみの背後で
あわはぱちぱちとしていた
かけおちする前のお母さんがいる
日をむかえると
虹色が空をうめるので
どうしても未来というノスタルジーは失せてしまった
それでも
蟻のくろさはちっていた
視られなかったが
ささやかに光っていた
夜になると
排水口へ向かうのだろう
戻る 編 削 Point(1)