縦に瞼をひらく半円形の港 回転扉を転がす いくつもの歳月 このひっかかり具合に画さ れカサコソ枯葉が散るから 浴槽のなかで手 拭を頭にのせ、石柱はすこしいい気分になる てんでばらばらに転がるのだから水府への道 は彩々さ(もうこれはとてもいい風…だから ゆっくり裏表紙を閉じようとする天蓋 ビル の各階を仕切るまで肋骨がぎしぎし痛む角を まわる …と磐のアケビが沖へからだを拓く 翻ってしろく染め抜かれた海風は笑うと帰る