僕の衰弱した右脳に関する覚書/川村 透
 
りとりしているのだ。

 そしてさらに建築を複雑にしていることは、それら情報を肉体化して現
場で実現する職人はきわめて右脳的、身体そのものが考えるということが
あり、そのデジタルな情報を建築の実現したい「価値」に沿う形で時にア
ナログにあるいはデジタルに伝えなくてはならないということだ。

 そろそろだんだんと切れ目なくゆるやかに詩のハナシになるはずだから
ぼやっと読んで欲しい。

 仕事修行中の若き日の僕はきわめて左脳的な思考を鍛えざるを得ずその
結果どうも僕の右能は衰弱しきっていたと見える。世に言う天才って奴は
右脳的能力を創造的跳躍に特化させるかわりに、世間の人が当然
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