一番嫌いな人種/
真紅
今夜は満月だとニュースが伝えた。
風呂に入る頃にはそんなことは忘れていた。
ふと窓を見ると月光が曇り硝子の向こうに見えた。
何の気なしに窓を開けた。
しばらく月を見ていた。
十字架のような形に光る月を。
そこで気づいた。
自分はただ風呂で月を見ている自分を見ているだけだと。
すぐに窓を閉めた。
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