言葉/
乱太郎
夜中のしずけさの中で
言葉が涙をこぼしている
いたらなかったこと
おこらせたこと
言葉であるために泣いていた
言葉が化粧をするときは
ひとを欺くため
言葉が銃を持つときは
ひとを蹴落としたいため
本当は美しい姿でありたいはず
誰もが思うように
慰めてやれるのは
別の言葉ではなく
ひとのこころ
戻る
編
削
Point
(19)