言葉/乱太郎
 

夜中のしずけさの中で
言葉が涙をこぼしている
いたらなかったこと
おこらせたこと
言葉であるために泣いていた

言葉が化粧をするときは
ひとを欺くため
言葉が銃を持つときは
ひとを蹴落としたいため

本当は美しい姿でありたいはず
誰もが思うように

慰めてやれるのは
別の言葉ではなく

ひとのこころ

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