追悼/
 
少しの酒で現実逃避を狙い、
散らかった部屋で孤独を紛らわす。
ベランダから流れ込む救急車のサイレンと夜の風。
薄っすらと眠気が漂った。

ショーツ一枚で寝転ぶ貧相な身体は、
夜という時間に支配されようとしている。

どうして動物は物を食わねばならぬのか。
当たり前の行為に嫌気が差して若干の苛立ちを隠せない。

この細い首をぎゅっと絞めて、
幾許かの快楽を与えてくれる人を欲しているあたし。

寂しさだけがあたしに付き纏う。
永遠の愛を保証してくれる人さえ現れてくれたら、
あたしはいつだって微笑んでいられるのに。

昨日の出来事は簡単に風に流されて、
つまらないあたしの存在だけが狭い部屋に木霊する。

消えそうにない抑鬱と虚しさ。

そんなときに、
そんなときに……



どうして死んじまったんだよぉ!
中島らも!!



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