秋/
yo-yo
小さな指のさきで
木の実をひろいながら
ドングリ
という言葉を
娘は覚えた
昼間のつづき
眠りの窓をしめて
散乱する
ドングリと戯れていた
ことばと戯れていた
ひとつふたつと
みっつまでは数えられる
そうやって
木の実のように
いのちを足していった
歓喜して
保ちきれずに
小さな手から零れおちる
秋の言葉は
まだ知らなかった
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