色もない世界/
kauzak
静止し音もなく
ただ時が流れる
大型書店の地階
あの人の詩集は
こんな凍結した
書棚にぽつんと
展示されている
誰もいない場所
あるはずの色も
感じられなくて
夢の中のようで
現実感がなくて
こんな日だから
あの人の詩集は
手には取らない
もう僕の総てが
麻痺してしまい
泣きそうなのだ
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