ひるねこ よるねこ/いとう
 


(窓の)隙間からひるねこが洩れてくるので
(夜が)さらに重くなる
(部屋の)すべてがひるねこで満ちていき
ひるねこ(の時間)が
姦しく はびこっていく


山ほどのよるねこが路上に佇んでいる
小さな群れがいくつも固まってよるねこを形成している
日の当たるその場所によるねこは留まり
誰の目にも映らないまま振動している



(家具の)裏側にひるねこが浸入していき
(境界が)よくわからなくなる
(影の)輪郭がつながって
ひるねこ(の色彩)もまた
夜とともに
揺らぎ始める
(部屋は)ひるねこに取り込まれていく


{I=よるねこは薄く広がっている
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