「かくれんぼ」/広川 孝治
僕を見つけて欲しいのに
すぐ近くまで来るけれど
腕を伸ばせば触れるほど
すぐ近くまで来てるのに
結局回れ右をして
離れて行ってしまうんだ
じつは気づいているのかな
少しは見えているのかな
だけど判らぬふりをして
通り過ぎてくだけなのか
垣間見えてた一部から
想像以上だったこと
怖くなっちゃったんだろう
あれほど探していたのにね
時間と手間とかけてきて
探す熱意は本物で
でも近づくとこんなにも
勇気がいるね本当に
僕を捕まえその腕に
しっかり抱きしめるためには
僕って時に熱くなり
凍えるほどに冷たくも
抱きしめ続けるのはとても
覚悟と犠牲必要
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