光量/渡邉建志
 
睡眠薬を飲まなかった。眠れなかった。朝早く起きてしまうのが鬱の特徴と本に書いてあった。寝る前はいつも死ぬ人みたいに寂しい。おきるときはいつも嫌いな人に謝りに行くみたいにつらい。眠りは浅くていつも職場の夢を見る。いつもおこられている。できなさは僕を拒食や立眩みや急に動けなくなる状態やものが読めない状態や「僕はどこにいるんだ?」状態へと追い込む。ひかりがほしい。

ほしいほしいばかり言っていて、人に何も与えようとしていないのがだめなんだと言う話もある。愛せよ、そうすれば愛されるだろう、と基督も言っている。近くの人を愛することができない。母や父を愛することができない。すこし遠くの人をいつも僕は愛そう
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