雷魚の世界 ④/crowd
 
地上に近い山腹に棲む黒い鳥は

道しるべとなる糞を落とし

小動物に住処を教える

澄んだ源流まではあと3000マイル

骨は武骨で歯は鉈と化す

曇りがかった悪路を不自由そうに飛ぶ

雨は陳列されたドル箱みたく

正確に地面を叩く

「カモン」

称号を前に立ち尽す アンサンブル

後悔を映す 雨宿りは

しばらく用はなさそうだ


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