道/
小川 葉
それからどうしても
行きたいところがあると言うので
つれていった
寝ているときは
額に汗をかく人だった
まぶたの裏の世界でも
雨が降っていた
誰かの涙なのだろう
誰かがとおった道なのだろう
行きたいところへつれていくには
二度ともどることのない
道をひとつとおった
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