世界山脈〔第二稿〕/小川 葉
 
 
さわいでる
奪われたものを奪うため
あの山なみの
とても深いところで

秋の次は冬がきて
春はかならずやってきて
めぐりめぐって谷底を
ながれる夏の
水はもうなかった

今朝は山がさわがしい
秋の実りの尽き果てた
資本主義のように
 
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