共感と反駁と/西日 茜
 
sadame『可逆』 http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=167904

 この詩は、紙の可逆性を見た作者が、変化した自分の頭蓋骨の中身が果たしてこのように元通りになり得るか、という一瞬の心象風景から始まる。自らを不可逆的であるという作者。ふかした煙草の煙が常に変化して元の形状を保つことがない様子を自己にたとえる。そして「既存の雰囲気に同化して 戻らない そのような もので あるらしい」と締めくくる。sadameさんの詩は、いつも自己憐憫の様相を呈している。自らの失敗をさらけ出し、誰を恨むわけでもない。また、小さなものや弱きものへの憧憬を繊細に描き、人間
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