世界山脈/
小川 葉
獣たちがさわいでる
奪われたものを奪うため
あの山なみの
とても深いところで
秋の次には冬がきて
春はかならずやってきて
めぐりめぐって谷底を
ながれる夏の
水はもうなかった
今朝はやけに山がさわがしい
秋の実りが尽き果てた
資本主義のように
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