斜路/
小川 葉
斜路を行く
山脈をのぼりつめて
そのむこうには
街がある
ひとは呟く
おさない子供のように
どうして汽車は
ひとを乗せて行ってしまうの
はく息が白い
煙のように
あらわれては消える
秋の夜明けを
窓からひとり見つめている
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