花びら/かいぶつ
 
私、瞼が無いから
眠れないんです

いつも夜は
虚空なのです

少女のころ
だったかしら

お花を摘んで
恋を占った
好き、嫌い、と

最後の一片
剥いだとき

私の瞼も
剥がれてた

探したけれど
見つからなかった

私の足もと
花びらで
いっぱいだった

風が吹き
花びらに包まれた

白い夢のように
きれいだった

私、瞼が無いから
眠れないんです

いつも夜は
虚空なのです

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