『Rapid Train』/東雲 李葉
 
だ君に会えてよかった。
僕らだけの列車の窓には孤独な惑星が映っていて。
星屑涙と混じりあい幾つも銀河が生まれていた。
喜びとは生きてるものだと君は瞳に星を映した。
レールを持たない古びた列車はやがて速度を落としながら、
一際高い汽笛を鳴らして僕を駅へと連れ帰る。

ラピッド・トレイン 置いていかないで。加速してゆく青い流星。
涙は星に変わらずに熱く頬を流れて落ちる。
止まらないで僕も乗せて。どうか夢よ醒めないで。

ラピッド・トレイン 連れ去って。君とこのまま消えてしまいたい。
光の中を列車は走る。君は笑って手を振って、
最後の言葉は汽笛に紛れて僕はホームに取り残された。

ラピッド・トレイン 君は連れ去って。
僕の心は独りぼっちで孤独な宇宙を彷徨っている。

戻る   Point(3)