『Rapid Train』/東雲 李葉
夜半に君はやって来て「最後の列車に乗れ」と言う。
あまりに突然なものだから頷くことしか出来なかった。
最後に会ったのはいつだっけ。なんだか遠い昔みたいだ。
あの時君は何て言ったかな。ダメだ何にも思い出せない。
その時そこは昼過ぎで。僕はどこかに向かっていた。
けれどそんなのどうでもよくて。ただただ夜が待ち遠しかった。
砂嵐により画面が変わって、僕らは夜のホームに立つ。
星屑涙と零れるような綺麗な綺麗な空の下、
美しいとは悲しいものだと君は遠い日々を見つめてた。
本日最後の古びた列車は行き先なんて示してなくて、
「宛てもない旅がいいさ」と笑いながら飛び乗った。
ラピッド・ト
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