煙草の煙/
じゅらいち
ついて
慟哭した 俺が悪かった
刀葉林地獄に堕ちた
十年後
Sと離婚して
半年後 電話した
子供がいたら
私たち離婚できなかったね
良かったね
Sは宗教ニンゲンになっていた
白い靄のような煙
俺が放った煙草の煙
拡散して
宙に消えゆる煙草の煙
俺の心は干涸びた
灰色の骸となった
河原に打ち上げられた
鮭になった
驟雨が降りよる
俺の肉体に染み込む
水子の魂 どこ行った
女の子だったみたいだ
そんな気がする。
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