写生/さかまき
公園の芝生に、
なんとなく秋を感じ
吹く風に甘く薫る美女たちが歩き去っていった。
そして、
氷塊が粉砕されて砕け散り、
意識の底の粘膜に降ってきたのだよ。
百足百匹に爛れるように腹を這わせられながら、
路頭のゴミ共を蹴散らして走ったよ!
明日はいつだって見えないから、
血走る邪眼を自ら潰して、鴉に捧げる
柳の下で、
考えたんだ。
僕は二年三カ月しなかった射精を、
柳の木の根に与えた。
ぼとぼと塊のような僕の精液が、根本に日垂る。
渇いた秋風が砂や塵やですぐに見失いそうになった。
俺の二年三カ月、
柳の木は俺の二年三カ月よりも美しかったようだ。
今度は十年後、
樹齢千年以上の樹にぶっかけようと思う。
俺の十年は、樹齢千年の樹よりも美しくなるだろうか?
相手はあまりにもやっかいだ
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